ピアノ・ロック(Piano rock)とは、その名の通りピアノやそれに関連する楽器(例えばシンセサイザーや電子ピアノ)に重点を置いた音楽ジャンルの一つ。典型的なロックとは違い、バンドの中に最低1人はピアノを弾く担当がいることが多い。
古典的なロックほど定着しているわけではないものの、例えばベン・フォールズ・ファイヴやコールドプレイ、ドレスデン・ドールズ、エヴァネッセンス、キーンのような現代のロックバンドと、エルトン・ジョンやビリー・ジョエル、トーリ・エイモス、ヴァネッサ・カールトン、ダニエル・パウターのようなソロ・アーティストなどは、それぞれの歌や曲の中で大きくピアノをフィーチャーしている。
ピアノ・ロックの起源は、1950年代ロックンロールの先駆者リトル・リチャードとジェリー・リー・ルイスの時代まで遡るが、特に1970年代に頭角を現したエルトン・ジョンやビリー・ジョエルはこのジャンルの開拓者と考えることができる。
イギリス出身のキーンは、ギタリストを持たないバンドという特異な編成で知られており、ピアノを主体にした楽曲を多く手掛けている。2003年にシングル・カットされたピアノ・ロック・ナンバー「Everybody's Changing」「Somewhere Only We Know」のヒットで、国際的にも認められたバンドとなった。コールドプレイはもう一つの成功例で、シングル「Trouble」「Speed of Sound」などの大ヒット曲を生んでいる。
アメリカ出身のエヴァネッセンスは、シングル「Bring Me to Life」「My Immortal」などが世界的な大ヒットを記録し、ピアノ・ロックの成功例と言える。また、ヴァネッサ・カールトンは彼女のヒット・シングル「A Thousand Miles」で有名である。ピアノを特徴としながらも現代アメリカのポップスを反映した曲で、ピアノ・ロックよりもしばしばピアノ・ポップという名で呼ばれることがある
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